焙煎のコツがわからない人
コーヒーの焙煎が安定してうまくできない。
焙煎教室も高額でハードルが高いので、上級者からコツが教わりたい
このような疑問に対して記事をかきました。
この記事の内容
- わたしが絶対に意識している基本ポイントを紹介
- 失敗しないコーヒー焙煎のコツを5つ伝授
- コツを押さえたら実践して叩き込もう
この記事を書いているわたしは、コーヒーの焙煎歴5年以上経過した現役焙煎士です。
始めた当初は手探りだった焙煎も、今では安定しておいしい味を再現できるようになりました。
現在、ステイホームの影響もあり自宅でコーヒーの焙煎をはじめる人は増えてきています。
しかしながら、焙煎を教えてくれる人はまだまだ少ないというのが現実です。
わたしも始めた頃、なかなか教えてくれるところがなくて苦労した経験があります。
本日は、現役焙煎士として、焙煎で失敗しないためのコツをお知らせしたいと思います。
わたしがコーヒー焙煎において絶対に意識している基本ポイント
まずは、最低限押さえておきたい基本のポイントを紹介します。
基本のポイント
チェックポイントごとの基準に合うように経過時間や温度等を調整していく
こう思われたあなた、こことっても大切なポイントなんですよ。
この基本がわかっていないと後から解説する5つのコツも意味がわからないと思います。
最低限チェックするポイントと豆の状態
- チェックポイント1:水抜き完了 (4分〜5分経過・白〜黄色に色づく・140度前後)
- チェックポイント2:1ハゼ開始 (8分〜9分経過・パチンパチン爆ぜる・200度前後)
- チェックポイント3:2ハゼ開始 (12分〜13分経過・ピチピチ小さい音・210〜220度)
ロースターによっては厳密にプロファイルを作って1分ごとの温度変化も再現するべきだという方もおられます。
たしかにそれができたら再現性は高まると思いますが、実際はかなり難しいです。
ただ、この3つのチェックポイントの基準にあうように火力やダンパーで温度調節をしていくことがとても大切です。
わたしの経験上、このポイントがずれると生焼けになったり、焦げたり、味が抜けたりしました。
繰り返しますが、基本のポイントは、チェックポイントごとの基準に合うように調整をしていくことです。
(必ず押さえよう)コーヒー焙煎のコツを5つ伝授します。
では具体的に焙煎を失敗しないための5つのコツを紹介します。
コツ1〜時系列に紹介しますので、順番にチェックしてください。
コツ1・初期加熱を行う
焙煎をする前に焙煎機を加熱します。
※できるだけ初期加熱温度も決めておきましょう
わたしは150度まで加熱するようにしています。
(200度までの加熱を推奨されている方もおられます)
理由① 焙煎する条件をできるだけ同じにしたいから
理由② 15分以内に焙煎を終わるためには初期加熱は必要だから
味の再現性を高めるために焙煎のスタートはなるべく一緒にした方がいいです。
そうしないと外気の影響などを受けて毎回パルプンテ状態になりかねません。
また、焙煎は15分以内に完了させないと水分とともに味も抜けていきます。
できるだけ美味く、また味の再現性を高めるために初期加熱は必ず行いましょう。
コツ2・水抜きはしっかりと
水抜きはとても大切な工程です。
この水抜きが十分でないと生焼けとなりえぐみや渋みが残る最悪のコーヒーになってしまいます。
水抜きが完了した目安(わたし基準)
- 豆の色が白〜黄色に変化し始めたころ
- 温度は140度前後、豆によっては130度前後
- メイラード反応によりこんがりした匂いが漂う
- おおむね焙煎開始から4分〜5分程度
この水抜きの役割は豆の内部に火を通すことなので完了するまで火力は弱火〜中火に抑えましょう。
水抜きができていない状態で強火で焼くと表面だけ焼けて(焦げて)中は火が通っていない『生焼け』になります。
この生焼けこそが最悪の結果で、えぐみ、苦味、しぶみ、すべて味わうことができます。
だからできるだけ火力は落としてしっかり豆からでるサインをみていきましょう。
わたしは水抜きが完了するまでを4分〜5分で考えていますが、うまく焼けない時はもう少し長くしてもいいと思います。
水抜きのコツは急がない、焦らないことにつきます。
ある程度時間がかかってもしっかり豆の芯に火を通しておきましょう。
コツ3・化学変化を促す
水抜きが完了したら、火力を強くして豆の化学変化を促す工程にはいります。
ここから1ハゼが始まるまでは中火〜強火で加熱します。
できるだけ強火で焼く方が化学変化が促進されてメリハリの効いたわかりやすい味になります。
また、この工程ではチャフや煙が発生するので、排気(ダンパー)も開きぎみにします。
コツ4・ハゼ後の温度を調節する
190度〜200度に達したころから、豆からぱちぱちハゼる音が聞こえてきます。
このことを1ハゼといいます。
1ハゼが完了しているかどうかで飲めるか飲めないかを判断する位で、コーヒーの成分変化として欠かせない現象です。
この1ハゼが始まったら火力を落としダンパーも開いて温度上昇をおさえていきましょう。
理由は、この1ハゼが始まると成分変化の速度が加速するので、火力を落とさないと一気に焙煎がすすみ煎りどめポイントを逃してしまいます。
このほかにも豆の焼き具合をそろえて煎りムラをなくすためです。
このまま2ハゼを狙うもよし、自分の好みのポイントで終了してもよし、、とても忙しい時間となります。
コツ5・冷却はすばやく行う
焙煎が終了したからといって油断は禁物です。
焼き上げたばかりの豆は200度前後の熱をもっているので、そのまま放置すると焙煎が自然にすすみます。
自分が狙った焼き上げポイントからずらさないためにも、取り出した豆はすぐに冷ましましょう。
わたしは専用の冷却器がありますが、サーキュレーターや内輪で仰ぐ方法があります。
これだけのポイントを押さえるだけで、失敗する確率は段違いに減るはずですよ。
あとは実践を重ねて自分の中のルールを作っていきましょう。
コツを押さえたうえで大切なこと
焙煎においてとても大切な基本ポイントとコツを紹介してきました。
そのうえでとても大切なことをひとつ申し上げます。
とにかく沢山焼いていきましょう。
今回紹介したコツを守って焙煎するだけで美味しいコーヒーが焼けるはずです。
ただ、やはりこの基本を基にたくさん焙煎の回数を重ねて検証することが大切です。
焙煎は奥がとても深く、さまざまな要因で焙煎の結果も変わってきます。
焙煎に影響する要因の例
- 生豆のサイズ
- 生豆の水分含有量
- 生豆の精製方法
- 生豆の収穫年度
- 外気など外部環境
- 焙煎機の容量に対する焙煎量
- 使用する焙煎機の種類とサイズ
本記事の基本をベースとしながらも、豆によってコアポイントが違うので自分で検証しマイルールを作っていくこが大切です。
そのためには、とにかく様々な種類の豆をたくさん焼いてみてください。
わたしも稀に焙煎を失敗することがありますが、失敗の原因を探り次に生かしています。
自分で仮説と検証を行えるようになったら、もはや上級者だと思います。
ぜひ、本記事を参考にオリジナルレシピを作ってみてくださいね。