コーヒーの焙煎に挑戦してみたいのですが、何から始めたらいいのかわかりません。
なにかおすすめの本はないですか?
このような疑問に対して記事を書きました。
この記事の内容
- 焙煎士が厳選!コーヒーの焙煎が学べる5冊
- 本を読むより大切なこと
わたしは、2019年に独学で焙煎を始めてから8年目に突入しました。
最初は、手編みで焙煎に挑戦しましたが、正解も理論もなく、一体どうしたらいいのか分からず苦戦しました。
この経験から、「自家焙煎を始めてみたい人」や「自家焙煎に苦戦している人」に向けて記事を書きました。
焙煎士が厳選!コーヒーの焙煎が学べる本5選
さっそく、コーヒーの焙煎が学べる本を5冊紹介します。
焙煎が学べる本5選
- 決定版 極める愉しむ珈琲辞典
- おうち焙煎ハンドブック
- CoffeeFanatic三神のスペシャリティコーヒー攻略本
- 田口護のスペシャリティコーヒー大全「技術・実践編」
- コーヒー焙煎の技術
決定版 極める愉しむ珈琲辞典
おすすめポイント
コーヒーについて一通り学べる入門書
著者 | サザコーヒー 鈴木太郎(総監修) |
内容 | コーヒーの基礎知識(産地、豆の違い、焙煎、淹れ方、アレンジ、ブレンド) |
おすすめな人 | コーヒー初心者の方、焙煎を含めコーヒーについて知りたい方 |
価格 | 1,485円〜 |
媒体 | Kindle,書籍 |
一冊目は、コーヒー初心者向けの本です。
茨城県の名店「サザコーヒー」が監修されており、焙煎だけでなくコーヒーについて歴史から産地、はたまたブレンドの考え方まで広く解説してあります。
この一冊があればコーヒーの基礎知識は学ぶことができるでしょう。
焙煎だけに特化した本もありだと思う反面、焙煎というのは、ただ生豆を機会的に焼いていればいいものではなく、コーヒーの個性を最大限に引き出す工程になるので、産地や生豆の特徴、精製方法、焙煎機の種類など、一通りコーヒーについての知識は欠かせないように思います。
本書は写真やイラストを多くしてあり、専門用語なども少なめにしてあるので、初心者の方でも読みやすくコーヒーの全体像が学べるので入門書としておすすめできます。
初心者の方は実践で経験を積むことも大切ですが、基本的なポイントは押さえておきましょう。
この「決定版 極める愉しむ珈琲辞典」は、コーヒーソムリエの資格取得に必要な知識も学べます。
コーヒーソムリエについてはこちらの記事で紹介しています。
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おうち焙煎ハンドブック
おすすめポイント
難しい理論は置いておいて、まず焙煎をやってみようの一冊
著者 | イチカワヒロトモ |
内容 | 焙煎機の種類や特徴、焙煎手順の基本、生豆の選び方、ブレンドの作り方 |
おすすめな人 | 焙煎初心者、これから焙煎を始めたい人 |
価格 | 680円 |
媒体 | Kindle |
2冊目も、初心者向けの本です。
ただ理論は本当に必要最低限で、コーヒー焙煎を実践していくことにフォーカスしてあります。
実際にロースターとして、経営者としてコーヒー店を運営されてきて豊富な経験を持つ著者が「これから焙煎を始める方に向けて」1から解説をされている一冊です。
ブログやYouTubeでも情報発信をされていますので、その内容を一冊にまとめた形となっています。
文書の量や理論は少なく「さらっと」解説されていますが、経験から得られた生きた情報であり、焙煎機ごとの焙煎方法や生豆の選び方や仕入先など広く解説されているので値段から考えるとコスパは高い本だと思います。
この本を参考に焙煎をやってみることが大切です。
個人的におすすめなのは、手鍋焙煎からスタートすることです。
また、この著者はコーヒーで独立する方法についても自身の経験から著書を出されているので、自家焙煎で自信がついたらステップアップにおすすめです。
CoffeeFanatic 三神のスペシャリティコーヒー攻略本
おすすめポイント
この価格でこの内容?理論と実践が高いレベルで学べる一冊
著者 | 三神 亮 |
内容 | スペシャリティコーヒーの概要、焙煎、抽出 |
おすすめな人 | 焙煎技術と知識広く得たい方(中級者から上級者) |
価格 | 660円 |
媒体 | Kindle,書籍 |
生豆営業、生産地訪問、品評会審査員、輸入代行、焙煎コーチ、コンサルティングなどコーヒーの世界にどっぷり浸かってきた著者が美味しい珈琲を飲むために必要な知識を惜しみなく提供されています。
価格は安いのですが、内容はディープで専門的知識も散りばめられているので、初心者には読みにくいかもしれません。
高度な理論で構成されるので、理論だけで実践的でないように感じるかもしれませんが、著者は実際に商社のワタルで生豆営業のためにローストもされていた経験もあり、現在は奥様が運営する「Roast Design Coffee」で商品開発や品質チェックアドバイザーとして現役でコーヒーの経営にも携われていることから、実践的内容になっています。
コーヒーの基礎知識がない状態で読むと難しくて挫折するかもしれません。
決定版 極める愉しむコーヒー辞典などで基本知識をつけてから読むことをおすすめします。
Roast Design Coffee Blogというブログも運営されています。
田口護のスペシャリティコーヒー大全(技術・実践編)
おすすめポイント
システム珈琲学、焙煎のストライクゾーン、3Dの考え方などの技術だけでなく、販売など実践面のノウハウも学べる
著者 | 田口 護 |
内容 | スペシャリティコーヒーの焙煎技術や抽出 |
おすすめな人 | 焙煎技術と知識広く得たい方(中級者から上級者) |
価格 | 2,096円〜 |
媒体 | Kindle,書籍 |
田口護さんは、日本を代表する超有名珈琲店「カフェバッハ」の店主にして、日本スペシャルティコーヒー協会の元会長(現理事)など経営の面だけでなく日本を代表するコーヒーの先駆者として活躍されている大御所です。
この田口さんの考え方として「科学的な精神」があります。
この考え方はコーヒーの焙煎は従来は、職人のカンの世界というあいまいで伝達が難しいものだったのが、「主観の排除と再現性」によってコーヒーの焙煎を技術として確立していることが大きなポイントです。
これは経営者だからこその視点で、自分だけでなく後進を育成し安定的な経営を行なっていくためのものですが、われわれ一般人もこの技術を学ぶことで安定的にクオリティの高いコーヒー焙煎を行うことが可能となります。
科学的精神
- 味の再現は可能か
- 技術の共有と伝達は可能か
- 曖昧さやカンを排除し理論とシステムで管理することで高いクオリティを安定して出すことができる。
内容は専門的で高度なものとなるので、1冊目としては内容が難しく感じるかもしれません。
ただ、カフェバッハの焙煎レシピや田口さんの考え方も惜しみなく公開されており、生豆のおすすめの仕入れ方法などかなり実践的なことまで踏み込まれています。
また、自分の焙煎が確立してきた頃に誰しもが通る壁があります。
壁
自分の焙煎は有名店と比べてどの程度のものなのだろうか。
自信を持ってお客に「うちのコーヒーは他とは違います」と言い切れるだろうか
良くも悪くも自己流は始めやすく手軽な反面、お店での修行や理論面での裏付けがないとお客さまに販売する段階になったときに胸を張ってPRできなくなります。
そんな時、本書のような理論を学べる本で理論武装を行なっておくことは自分の焙煎するコーヒーへの自信の確立とお客様への価値提供ができるので必要となってきます。
この一冊を理解し実践できたら技術だけでなく店舗経営に必要な考え方も学べますね。
コーヒーの焙煎だけでなく、販売や経営面などのことも学んでみたい方におすすめの一冊となります。
コーヒー焙煎の技術
著者 | 旭屋出版 |
内容 | 人気自家焙煎店の焙煎技術や考え方を広く学べる |
おすすめな人 | 人気店の具体的な焙煎の考え方や技術を知りたい人 |
価格 | 1,980円 |
媒体 | Kindle,書籍 |
おすすめポイント
自分の焙煎が確立してから他の店のやり方を参考にしてみましょう。
人気店の焙煎技術やプロファイルが惜しみなく公開されています。
ただ、使用している焙煎機も生豆の投入量も異なるから、まったく同じように焙煎できるとは限りませんが、自分の焙煎の幅を広げるための参考として活用は十分することができます。
- 丸山珈琲
- 大和屋
- DOUBLE TALL
- 珈琲屋メイプル
- マツモトコーヒー
- COFFEE TERMINAL
- 樽珈屋
- Caffe Fresco
- 珈専舎たんぽぽ
- AMAMERIA ESPRESSO
- ROSTRO JAPAN
- 堀口珈琲
- ワイルドコーヒー ほか
人気店は焙煎技術も高いですが、プロとしての意識も高いので、技術以外でも参考になるところはたくさんありますね。
まとめ
今回の記事をまとめます。
現役焙煎士がおすすめする「コーヒー焙煎が学べる本」は次のとおりです。
焙煎が学べる本5選
- 決定版 極める愉しむ珈琲辞典
- おうち焙煎ハンドブック
- CoffeeFanatic三神のスペシャリティコーヒー攻略本
- 田口護のスペシャリティコーヒー大全「技術・実践編」
- コーヒー焙煎の技術
できれば1冊目から順に参考にされると挫折も少ないのでおすすめですが、やっぱり大切なのは実践です。
実践したら次々疑問や壁にぶつかると思いますが、そんな時に本に戻って実践と理論のサイクルを回していき、徐々に自分だけの焙煎理論を確立していくのがおすすめです。
今回は以上です。