
KALDI Fortisの購入を検討している人
KALDI Fortisの購入を検討しているけど、本当に美味しく焙煎できるの?
具体的にどうやって焙煎するのか知りたいです。
このような疑問に対して記事を書きました。
この記事の内容
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KALDI Fortisを使って1年のわたしが焙煎方法を特別に公開します。
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どの焙煎機を使っても焙煎の基本ポイントは変わらない話
この記事を書いているわたしはコーヒー焙煎歴5年で、2019年から2代目としてKALDI Fortisで焙煎しています。
本日は、わたしが1年かけて築いてきたKALDI Fortisによるコーヒー焙煎の方法を特別に公開します。
KALDI Fortisを使って1年のわたしが焙煎方法を特別に公開します。
さっそくですが、わたしの焙煎方法は次のとおりです。
- 余熱を行う
- 豆を投入し時間を計測する
- 水抜きを行う
- 加熱を促進する
- 1ハゼ付近で火力の調整を行う
- 1ハゼ後に再び加熱を行う
- 2ハゼ付近で火力の調整を行う
- 煎り止め後はすぐに冷却を行う
この焙煎の流れはどの焙煎機を使っても同じだと考えています。
ただしやはり焙煎機によって微妙に仕様が異なるのも事実です。
ここからはKALDI Fortisで実際に焙煎を行う方法を公開いたします。
KALDI Fortisに特化した方法を知りたい方は必見です。

注意点
焙煎機は同じでも焙煎する豆の種類や分量等環境によっても方法は異なるので今回の条件を書いておきます。
- 生豆:パプアニューギニア
- 分量:250g
- 精製:ウォッシュド
- 収穫年度:20年
- 事前のハンドピック済み
焙煎手順1 焙煎機の予熱を行う
いきなり見にくい写真ですみません。
焙煎作業中に撮影した関係で逆光に気付きませんでした。

まず豆を入れていない状態で焙煎機を加熱します。(予熱といいます)
わたしは150度〜180度を目安に予熱しています。
この予熱を行う理由は次のとおりです。
- 外部の温度に左右されず、毎回焙煎の条件を統一するため
- 15分以内に焙煎を完了させるため
この中で大きな理由は、毎回焙煎の条件を統一するためです。
夏に焙煎するのと冬に焙煎するのでは焙煎機内の温度の変化に大きな差があります。
スタートラインの温度が段違いです。
このように環境の変化が大きいと味にも影響がでるので予熱で調節します。
つぎのポイントを意識して予熱は必ず行うようにしてください。
ポイント
再現性を高めるに、予熱の温度を一定にして毎回の焙煎条件を整えましょう。
焙煎手順2 生豆を投入し時間を測る
予熱が完了したら生豆を投入します。
そしてこの生豆投入時から時間を測っていきます。
生豆を投入すると150度以上で予熱していても、一時的に内部の温度が100度位まで下がります。
このボトムの温度のことを専門用語で『中点』と呼びます。

ポイント
生豆を投入してから時間を計測しましょう。
焙煎手順3 水抜きを行う
中点から生豆の温度が概ね140度〜150度までに達するまでは水抜き区間です。
この水抜きはとても大切で、生豆の内部に火を通すことを目的としています。
この水抜きで注意したいポイントは次のとおりです。
- 水抜き中の火力:弱火〜中火をキープ
- 水抜き完了時間:4分〜5分程度
- 水抜き完了合図1:豆の色が白から黄色っぽくなってくる
- 水抜き完了合図2:豆から香ばしい匂いがしてくる(メイラード反応)
- 水抜き完了合図3:チャフが大量に発生してくる
この水抜きを疎かにすると生焼けコーヒーとなり、渋みえぐみの基となるので、この水抜きはしっかり行いましょう。
ポイント
水抜きは弱火でしっかり行いましょう。
焙煎手順4 加熱を促進する
水抜きが完了した後は、加熱を促進していきます。
この目的は、火力を上げることにより生豆の化学変化を促進するためです。
このセクションでポイントは次のとおりです。
- 火力は中火〜強火
- 排気も強くする(メモリ2)
- テストスプーンで豆を確認
火力の調整
火力の目安としては中火〜強火です。
わたしが現在使用している岩谷のタフマルは火力が強いので中火程度にしています。

排気の調整
また、このセクションから、チャフや水蒸気が大量に発生するので、チャフコレクターの排気も強めます。
わたしは、KALDIのチャフコレクターでメモリ2にしています。
このKALDIのチャフコレクターはとっても優秀で、わたしはこのチャフコレクターがあるからこの焙煎機を購入しました。
テストスプーンで豆を確認
また、この頃からテストスプーンで豆の煎り具合や、香りを定期的に確認するようにしましょう。
ポイント
水抜きが完了したら加熱を促進し、豆の科学変化を促進させましょう。
焙煎手順5 1ハゼ付近で火力を抑えて温度の上昇を控える
豆の種類にもよりますが、だいたい190度前後から豆から『パチンパチン』と勢いよくハゼる音が聞こえてきます。
時間にすると8分〜9分が理想です。
ハゼの目安
だいたい最初に何回かフライング気味の豆がハゼてきます。
わたしはこの初期のハゼが始まったら、1ハゼの開始の合図と捉えて次の調整を行います。
- 火力を抑える(弱火)
- 排気をさらに強める(メモリ2.5)
- テストスプーンで確認
- 調整時間は9分〜11分の2分間程度
この火力を抑えて排気を強める意味は、豆の煎りのムラをなくすことです。
豆には煎りが早いものも、遅いものもあります。
ここで煎りの速度をおさえることで遅いものが追いついてきて、煎りムラがなくなってきます。
この調整期間は、ハゼの音がなくなるまでで時間にすると2分程度です。
ポイント
1ハゼが始まったら、温度上昇を抑え(火力落とす、排気強める)煎りムラをなくしましょう。
注意点
この1ハゼが完了したら焙煎レベルは浅煎り〜中煎りです。
浅煎り〜中煎りがお好みの方はここで煎り止めしても問題ありません。
つぎからは中深煎り〜深煎り用のレシピです。
焙煎手順6 1ハゼが落ち着いたら少し加熱を行う
中深煎り以上を狙いたい人は、1ハゼが落ち着いたら火力等を調節して2ハゼを狙いましょう。
このセクションで行う調節は次のとおりです。
- 火力は中火程度
- 排気は少し弱める(メモリ2)
- テストスプーンで豆を確認
この辺りから豆の科学変化の速度は加速していきます。
とっても忙しい時間帯に突入します。
焙煎手順7 2ハゼ付近で火力を抑える
しばらくすると豆から『ピチピチ』と小さい音が聞こえてきます。
このことを2ハゼといいます。
2ハゼの目安
- 豆の温度:220度前後
- 経過時間:13分前後
- ピチピチと小さい音が聞こえる
- 煙がとってもでてくる
この2ハゼが起きると焙煎レベルとしては中深煎りです。
このまま煎りを進めるとあっという間に深煎り突入ですがあとは、自分の好きなタイミングで豆を排出します。
わたしはあらかじめ焙煎のレベルを決めているので、即決しています。
パプアニューギニアはフルシティで排出しました。

ポイント
注意深く観察し、煎り止めポイントを探りましょう。
焙煎手順8 煎り止め後はすぐに冷却を行う
排出しても豆は高温なので、放置しておくとそのまま煎りが促進していきます。
排出後はすぐにチャフコレクターに入れて排気マックスで冷却します。
この時のメモリは6(最大)です。
ただ入れて待つのではなくハケでかき混ぜてあげるとより効果的です。
ポイント
排出後は速攻で冷却してしまいましょう。
いかがでしたか?
わたし自身タイプをしながら、焙煎のことが頭に浮かんで忙しない気持ちになりました。
特に後半からはとっても忙しいので、電動式焙煎機だからと言って油断は絶対にできません。
どの焙煎機を使っても焙煎の基本ポイントは変わらない話
今回は、KALDI Fortisに特化した焙煎レシピを公開しました。
確かに焙煎機によってクセやスペックが異なるので、焙煎機ごとにレシピを作り上げていくことは大切です。
でも、焙煎における基本は焙煎機が変わっても同じです。
- 余熱を行う
- 豆を投入し時間を計測する
- 水抜きを行う
- 加熱を促進する
- 1ハゼ付近で火力の調整を行う
- 1ハゼ後に再び加熱を行う
- 2ハゼ付近で火力の調整を行う
- 煎り止め後はすぐに冷却を行う
これをもう少し簡単にするとこんな感じです。
- 予熱
- 水抜き
- 加熱
- ハゼ付近で調節
- 排出後は即冷却
だからどんな焙煎機を使っても焙煎を習得することはできるので、基本を意識して数をこなしてみてください。
焙煎の基本ポイントについてはこちらの記事で解説しています。
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まとめ
今回の記事をまとめます。
KALDI Fortisを使ったわたしの焙煎方法
手順 | 手順1 予熱 | 手順2 豆投入・時間計測 | 手順3 水抜き | 手順4 加熱 | 手順5 1ハゼで調節 | 手順6 再加熱 | 手順7 2ハゼで調節 | 手順8 冷却 |
アクション | 焙煎機を温める | 豆を投入し時間を測る | 弱火〜中火で水を抜く | 火力を上げる | 火力を下げる | 火力を少し上げる | 火力を下げる | 即時冷却 |
温度(BT) | 150℃〜180℃ | 100℃前後 | 140℃前後 | 〜190℃前後 | 〜200℃前後 | 〜210℃前後 | 〜220℃前後 | ー |
時間 | ー | 0 | 4分〜6分 | 〜8分 | 8分〜9分 | 〜11分前後 | 〜13分前後 | ー |
ポイント | 焙煎の条件を整える | 投入時から時間計算 | 豆の内部に火を通す | 中火〜強火で加熱 | 煎り合わせ | 2ハゼを狙う | 煎り止めを探る | 即時冷却 |
焙煎の基本
焙煎機が変わっても、焙煎における基本ポイントは同じなので基本を押さえて焼きまくろう。
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この記事が少しでも参考になると嬉しいです。
では今回は以上です。