コーヒー焙煎に挑戦してみたいけど、おすすめの焙煎機が知りたいです。
最初はコストが安いものから始めたいです。
このような疑問に対して記事を書きました。
この記事の内容
- 家庭用焙煎機の選び方
- 現役焙煎士おすすめ!家庭用焙煎機7選
- 各焙煎機の特徴
こんにちは、 コーヒー大好き人間です。
本日は、現役焙煎士として、これからコーヒーの焙煎を始めたい方におすすめできる焙煎機を紹介します。
エントリー機から本格的なものまで紹介します。
この他、(小型)業務用焙煎機が知りたい方は、こちらの記事で紹介しています。
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豆売りもできる!現役焙煎士のおすすめ業務用小型焙煎機5選
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コーヒー焙煎機の選び方
まずは、焙煎機について知っていきましょう。
焙煎機と言っても、本当に沢山の種類があります。
焙煎機を選ぶ基準として考えたいのは次のポイントです。
焙煎機の選考基準
- 焙煎できる容量
- 焙煎機の価格
- 焙煎機のタイプ
基準1:焙煎容量
焙煎できる容量の確認はとても大切です。
たとえば、焙煎容量50gということは、4〜5杯分しか焙煎できません。
ある程度まとめて焙煎したい人にとっては100g〜200g程度の焙煎容量は必要です。
ましてや、販売や周りの人にお裾分けをするなら400g〜500g以上の容量が欲しいところですね。
基準2:価格
焙煎機の価格も重要になってきます。
ここでの価格はコスパと捉えるべきですが、手動式なら価格は安く、電動式なら価格は高くなる傾向にあります。
初心者は価格が安い手動式から始めることがおすすめです。
基準3:焙煎機のタイプ
ある意味、一番知識として知っておかないといけない部分になります。
焙煎容量もそうですが、焙煎のタイプは本当にさまざまな物があります。
焙煎のタイプ
- 分類1:熱源別
- 分類2:タイプ別
- 分類3:動力別
この部分は大切なのでじっくりと説明しておきます。
分類1:熱源別
焙煎機を熱源別に分類するとつぎの2つです。
- ガス式
- 電気式
ガス式
ガスコンロやカセットコンロの上で焙煎する方式です。
一番手軽で身近な焙煎方式になります。
メリット
- 火力を調整できる
- ガスコンロがあれば、色んな焙煎機(ガス式に対応したもの)が使用できる
- 焙煎技術の向上で味が向上する
- 焙煎機によってはある程度多い量での焙煎が可能
デメリット
技術が安定するまで味が安定しない
この他にも一般的にはガスコンロの上で焙煎する方式なので、対応する焙煎機の種類も多く、選びやすいというメリットもあります。
電気式
電気を熱源として焙煎するタイプを指します。
電気式は自動で焙煎してくれる自動式焙煎機も兼ねていることが多いですね。
メリット
- 自動的に焙煎ができて楽チン
- 安定した焙煎が可能
- 焙煎機によってはアフターバーナー(消臭機能)がついている
デメリット
- 焙煎技術の向上はない
- 焙煎できる量が比較的少ない
- 価格がとても高い
電気式は簡単で楽チンな反面、自分で焙煎をしていないので技術の向上が見込めないのと、何より機体が高いというデメリットはあります。
分類2:タイプ別
焙煎は、ドラムの中の生豆に熱を与え続けて行いますが、このドラムへの熱の伝え方でも分類されます。
- 直火式
- 半熱風式
- 熱風式
直火式
ドラムがメッシュになっていて、火が直接豆にあたるものを指します。
メリット
上手く焼けたらとても美味しい味になる。
デメリット
- 焙煎時にチャフやゴミが散らかる
- 直接豆に火が当たるため、豆が焦げやすく煎りむらが生じやすい
- 難易度が高く味の安定に工夫が必要
半熱風式
火が直接豆に当たらず、ドラムに火が当たるため、間接的に豆に火が当たるものを指します。
メリット
- 味の再現性が高い
- 煎りムラが生じにくい
- チャフやゴミはドラムから出ないので散らかりにくい
デメリット
直火式と比べて味は平均的になりがち
熱風式
熱源がドラムとは別の場所にあり、熱風をドラムに送り込むものを指します。
メリット
- 味の再現性が高い
- 大量焙煎が可能
デメリット
コストが高い
最近ではライソンのような小型熱風式焙煎機も登場しましたが、基本的に熱風式は業務用で大量に焙煎するタイプの焙煎機をイメージしてもらえるといいです。
あまり個人向けで使用している方は少ない印象です。
分類3:動力別
動力は、ドラムを回転させるための力のことで、3つに分類されます。
- 手動式
- 電動式
- 自動式
手動式
自分で焙煎機のハンドルを回したり、振ったりして焙煎する方式です。
メリット
- 技術の向上で味が良くなる
- 焙煎をしている実感あり
- 比較的安価で機材が手に入る
デメリット
- 疲れる
- 常に手を動かしているので、記録を取ったりしにくい
- 忙しい
電動式
電気でドラムが自動的に回転する方法、火力等の調節は必要です。
メリット
- 焙煎が楽
- 記録を取ったり、ダンパー操作したり、その他のことに専念できる
デメリット
- 機材が高くなりがち
- メンテナンスが必要
自動式
ドラムの回転から火力等熱源の調整まで勝手にしてくれるので、スイッチひとつで焙煎が可能なタイプです。
メリット
- 自動的に焙煎してくれるので、手間いらず
- 焙煎の流れがプログラムされているので再現性が高い
デメリット
- 微調整ができない
- 焙煎技術の向上がない
- 少量しか焙煎できないタイプが多い
- 焙煎の流れが学習できない
このようにどのタイプを選んでも良い面と悪い面はあります。
あとはコストや焙煎できる量など、自分がどのような焙煎をしたいのかを明確にさせて選んでいく必要があります。
現役焙煎士おすすめ!コーヒー焙煎機7選
次におすすめの焙煎機を紹介していきます。
わたしは自動焙煎機は否定的なので候補から外しています。
自動焙煎機は、スイッチ一つである程度の味になる楽さはあるのですが、焙煎技術の向上はない上に、焙煎の工程が理解できないからです。
おすすめ家庭焙煎機一覧
※スクロールできます。
焙煎機名 | マルカ銀杏煎 豆煎器 | 高儀カフェパン | アウベルクラフト | KALDI Coffee Roaster | ユニオンサンプルロースター | KALDI ニューワイド400 | KALDI Fortis |
写真 | |||||||
焙煎容量 (生豆時) |
200g | 50g | 250g | 250g | 400g | 400g | 600g |
熱源 | ガス | ガス | ガス | ガス | ガス | ガス | ガス |
駆動 | 手動 | 手動 | 手動 | 手動
電動 |
手動 | 電動 | 電動 |
焙煎方式 | 直火 | 半熱風 | 直火 | 直火 | 直火
半熱風 |
直火
半熱風 |
直火
半熱風 |
価格 | 約1,500円 | 約1,000円 | 約1.5万円 | 約4万円 | 約6万円 | 約15万円 | 約20万円 |
特徴 | 安価
手軽 初心者向き |
安価
手軽 初心者向き |
遠赤外線による焙煎
手軽で本格的 |
電動式が選択可
チャフも飛び散りにくい 中級者〜上級者向き |
堅牢な造り
温度管理がしにくい 中級者〜上級者向き |
本格的装備
チャフコレクター別売り データロギング可 上級者向き |
本格的装備
チャフコレクター別売り データロギング可 上級者向き |
リンク | HP | HP | HP | HP | HP | HP | HP |
(価格はR5.3地点でのものです。)
値段も焙煎容量もさまざまですよね。
それぞれ特徴を見ていきましょう。
各焙煎機の特徴について
おすすめ1:マルカ 日本製 銀杏煎 豆煎器
ポイント
- 熱源:ガス式
- タイプ:直火式
- 動力:手動式
- 容量:200g
- 初心者向け
おすすめポイント
- 安価なので入門機に最適
- 200g焙煎できる
いまいちポイント
- ずっと振り続けるので手が疲れる
- チャフが飛び散る
- 焙煎の難易度は高め
おすすめ理由は、何より手軽さです。
値段も安価なので初心者が試しに使うにはもってこいです。
ただし、ずっと火の上で振り続ける必要があるのでとても手が疲れます。
そのうち、せめて土台がないと厳しいと思うかもしれません。
また、直接豆に火が当たるので焦げやすく、煎むらも生じやすいので慣れるまで時間がかかります。
手軽なので焙煎を試してみたい人にはおすすめです。
慣れてくると美味しいコーヒーが焼けますよ。
おすすめ2:高儀 カフェパン
ポイント
- 熱源:ガス式
- タイプ:半熱風式
- 動力:手動式
- 容量:50g
- 初心者向け
おすすめポイント
- 安価なので入門機に最適
- 半熱風式なので、煎むらが生じにくい
- チャフも飛び散りにくい
いまいちポイント
- ずっと振り続けるので手が疲れる
- 50gしか焙煎できない
おすすめ理由は、手軽さに加え、半熱風式なので難易度が低い点です。
蓋がダンパーの役割を果たし温度調整がしやすく、チャフ等も飛び散りにくいです。
個人的には、銀杏煎器よりおすすめです。
ただし、1回の焙煎容量が50gというのは、およそコーヒー4〜5杯程度分なのでやや少ない気がします。
趣味で週に1回程度焙煎する人にはちょうどいいかもしれません。
人にあげたりするとなると厳しいですね。
おすすめ3:アウベルクラフト
ポイント
- 熱源:ガス式
- タイプ:直火式
- 動力:手動式
- 容量:250g
- 中級者〜上級者向け
おすすめポイント
- 250g焙煎できる
- 遠赤外線により煎むらしにくい
- 土台付きなので疲れにくい
いまいちポイント
- チャフが飛び散る
おすすめの理由は、手軽で本格的な焙煎も可能な点です。
直火式なので、半熱風式と比べると煎むらは生じやすいですが、遠赤外線により「遠火の強火」を実現できているので、比較的煎むらしにくくなっています。
250g焙煎できる点も含め、趣味として楽しむなら最もコスパが高い焙煎機だといえます。
おすすめ4:KALDI Coffee Roaster
ポイント
- 熱源:ガス式
- タイプ:直火式
- 動力:電動式/手動式
- 容量:250g
- 中級者〜上級者向け
おすすめポイント
- 電動式が選択可
- 250g焙煎できる
- チャフも飛び散りにくい構造
- 付属で温度計もセット
いまいちポイント
- 直火式なのでやや煎むらは生じやすい
- 本格的な分、価格も高め
おすすめの理由は、本格的な焙煎が体験できることです。
少し値段が高くはなりますが、電動式が選べることが最大のメリットです。
電動式は一度その快適さを知ってしまうともう手動式には戻れません。
一度に250g焙煎できるのも嬉しいですね。
おすすめ5:ユニオン サンプルロースター
ポイント
- 熱源:ガス式
- タイプ:半熱風式(直火式もあり)
- 動力:手動式
- 中級者〜上級者向け
おすすめポイント
- 堅牢な造り
- 400gの焙煎量
- 手動だけど土台があるので疲れにくい
いまいちポイント
- 排気が弱い
- メンテナンスには別売りT型レンチが必要
- 価格が高め
- 温度管理がしにくい
おすすめポイントは、アナログながら本格的な焙煎ができるし、焙煎の流れを体得するのに最適だからです。
原始的ながらも堅牢な造りで、使用してくるうちに味がでてくるので経年劣化も気になりません。
アナログな分、焙煎の流れを目で見て匂いや音で感じる必要があり、焙煎の流れを体得することができます。
わたしもこの焙煎機には随分お世話になりました。
こちらの記事で紹介していますので気になる方はどうぞ。
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現役焙煎士の初代コーヒー焙煎機(ユニオン・サンプルロースター)を紹介します。
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また、焙煎も一度に400gできるので、販売も視野に入れることができます。
ただ、温度管理が難しい点と排気が自然排気なので温度調整がしにくいというデメリットもあります。
おすすめ6:KALDI ニューワイド400
ポイント
- 熱源:ガス式
- タイプ:半熱風式(直火式もあり)
- 動力:電動式
- 上級者向け
おすすめポイント
- 本格的焙煎機
- 焙煎容量400g
- 別売りチャフコレクターを使えば業務用と同スペック
- PCと連動させデータロギングも可
いまいちポイント
- 専用チャフコレクターは別売り(約4万円)
- データロギングするためには、専用温度計を選択する必要あり
おすすめポイントは、プロとも戦える焙煎機だということです。
400g焙煎できることに加え、別売のチャフコレクターを使用したら業務用としても使用できます。
チャフコレクターがあるので排気も外に出すことができますね。
データロギング用の温度計を選択するとPCと連動させてデータロギングもできてしまいます。
おすすめ7:KALDI Fortis
ポイント
- 熱源:ガス式
- タイプ:半熱風式(直火式もあり)
- 動力:電動式
- 上級者向け
おすすめポイント
- 本格的焙煎機
- 焙煎容量600g
- 別売りチャフコレクターを使えば業務用と同スペック
- PCと連動させデータロギングも可
いまいちポイント
- 約20万円と家庭用としては高額(もはや業務用)
- 専用チャフコレクターは別売り(約4万円)
- データロギングするためには、専用温度計を選択する必要あり
ニューワイド同様、KALDIの焙煎機となります。
ニューワイドの焙煎量が400gだったのに対し、Fortisは600g焙煎ができます。
ニューワイドのグレードアップ版といった感じです。
わたしも2代目焙煎機として使用していますが、十分すぎるスペックに満足しています。
フォーティスについてはこちらの記事で紹介しています。
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現役焙煎士が使用するコーヒー焙煎機(KALDI Fortis)を紹介します。
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ただし、約20万円は家庭用としては高額で、初心者には手がでにくい価格帯です。
この焙煎機は初心者向けではなく、コーヒー販売を検討するなど上級者向けといえます。
まとめ
現役焙煎士がおすすめする家庭用焙煎機は次のとおりです。
おすすめ家庭焙煎機一覧
※スクロールできます。
焙煎機名 | マルカ銀杏煎 豆煎器 | 高儀カフェパン | アウベルクラフト | KALDI Coffee Roaster | ユニオンサンプルロースター | KALDI ニューワイド400 | KALDI Fortis |
写真 | |||||||
焙煎容量 (生豆時) |
200g | 50g | 250g | 250g | 400g | 400g | 600g |
熱源 | ガス | ガス | ガス | ガス | ガス | ガス | ガス |
駆動 | 手動 | 手動 | 手動 | 手動
電動 |
手動 | 電動 | 電動 |
焙煎方式 | 直火 | 半熱風 | 直火 | 直火 | 直火
半熱風 |
直火
半熱風 |
直火
半熱風 |
価格 | 約1,500円 | 約1,000円 | 約1.5万円 | 約4万円 | 約6万円 | 約15万円 | 約20万円 |
特徴 | 安価
手軽 初心者向き |
安価
手軽 初心者向き |
遠赤外線による焙煎
手軽で本格的 |
電動式が選択可
チャフも飛び散りにくい 中級者〜上級者向き |
堅牢な造り
温度管理がしにくい 中級者〜上級者向き |
本格的装備
チャフコレクター別売り データロギング可 上級者向き |
本格的装備
チャフコレクター別売り データロギング可 上級者向き |
リンク | HP | HP | HP | HP | HP | HP | HP |
(価格はR5.3地点でのものです。)
わたしは一通り焙煎機を使ってきました。
- 手編み
- フライパン
- 片手鍋
- ユニオン・サンプルロースター
- KALDI フォーティス(ニューワイドもあり)
この順に焙煎機をステップアップしていきました。
最初から高い焙煎機を買うのは本当に勇気が入るし、無駄になる可能性もあります。
まずはお手軽なものから試してみてはいかがでしょうか。
最後までありがとうございました。